内定者インターンで学んだこと
もう 2 週間前のことで若干今更感ですが、先月丸々 1 ヶ月 (7/1 ~ 7/31)、このご時世に、就職先企業へ内定者インターンに行かせていただきました。
インターンは元々心待ちにしていましたが、それはもう期待以上のものだったので、久々にブログへ。
何が期待以上だったかって、業務内容以上に、仕事の意義とかやりがいとかそこらへんについて、私の思っていた「やりがい=仕事内容」以上のものが見えた (きがした) からです*1。
そもそもの経緯
私の就職先である某外資IT企業 (A 社とする) では、入社前に全員、配属先の中のチームの一つに 1 ヶ月内定者インターンをするというユニークな制度がある。
インターンの配属先は、選考時の面接官であったマネージャーのチームとなることが多い。そしてインターン後、人事の方に感想と配属希望をフィードバックし、それとマネージャーとの意見も踏まえ、最終的な入社後の配属先が決まる。
この制度は本当に有り難い。
もちろん、配属先のチームや仕事内容が自分に合っているか事前に見極めることができることは大きい。合わなかったら人事に希望が言える。
ただ私は最近、特に就職先を 5 月に決めて以降、
サポートエンジニアという、来年からは今の研究分野とはまた異なる世界に踏み入れることになり
正直、残りの大学院生活や研究に対するモチベーションがかなり薄れていた。
意気揚々とこんな目標を掲げてみたけどところがどうだ、上半期が過ぎた今、統計検定を受けるモチベーションはほぼ無くなってしまった。
ソフトウエアエンジニアとしても就職しない。
サポートエンジニアになって、自分は人生でどんなことを達成できるんだろう
こんな漠然とした不安というか劣等感というかなんかモヤモヤしたものを抱えていた。
そんな私のインターンの密かな目標は以下の 3 つ。
徹底的にサポート技術に向き合う。そして、サポートエンジニアという仕事のやりがいを知ること。それを踏まえて残りの学生時代の過ごし方を改めて考えること。
色々な社員さんに積極的に話を聞き、コネクションを作り、自分の入社後のキャリアを思い描くこと。
結果どうだったか
率直に言って、
それはもう怒涛の 1 ヶ月で、光の如く過ぎ去っていった。
リモート:出社 = 2 : 1 くらいの割合だったが、それでも毎日出社とほぼ変わらないくらいの活動をさせてもらえ、上に掲げた目標は全て達成できたと自負できる。
目標の振り返りはここでは置いといて、主に1と2に関連して、学んだことを。
※ 断りとして、この感想はあくまで私が配属された1つのチームに関してのものであり、チームそれぞれのカルチャーや業務内容は異なると思います。
サポート業務は、想像以上に奥深いかも
と一言でまとめるのは全くもって的外れだった。
私は「Azure Active Directory」という、組織メンバーのID管理を担うサービスのサポート担当だったが、
扱うサービスの大枠は1つと言えど、そもそも「技術の最後の要」ということもあり、ググったら出てくるような簡単な問題は多くない。検証環境を構築して問題を検証したりログを解析することが基本だ。
その上で、関連する技術は
- 認証システム
- ネットワーク通信
- オンプレミスとクラウド
- Azure を用いた仮想環境
など、多岐に渡り、それぞれ深い理解を要する。
ただこのようなエンジニアリングスキルだけでなくて、
- お客様の問題やニーズの把握能力
- 最適解を最速で出す能力
- タスク管理能力
- 文章力
- わかりやすく伝える力
- 英語力
など、コンサルティング会社でも十分通ずるようなビジネススキルをも求められるのだ。
サポート歴 20 年のマネージャーさんが言ってくれた言葉は胸に刺さっている。
巷では開発職が偉いだの思われているかもしれないが、サポートエンジニアはソフトウエアエンジニアも見ないようなプロダクトコードを確認することもあるし、非常にクリエイティビティな仕事だと思っている。誇りを持って欲しい。
私、そして、世間が思っている以上に「サポート業務」は可能性のある仕事なのかもしれない。
「人 ⇆ 仕事のやりがい」 かも
上で述べたサポート業務のやりがいはもちろんだが、こっちの方が自分的には発見。
「共に働く人が(技術的にも人間的にも)尊敬できる」と「仕事のやりがい」は、互いに影響するのでは?ということ。
ここでいう私にとっての「尊敬できる人」とは
- 技術力が高いこと。しかし、それをひけらかすことなく、他者に貢献することを厭わないこと
- 評価される、されない に関係なく行動できる人
- 愚痴を言わず、大変なときこそユーモアや周りへの気遣いを忘れない人
私の本当に勝手な認識だが、配属されたチームの人はほぼこんな人達で、正直びっくりしてしまった。
みんな、絶対忙しいのに、チームの誰かしらを日々サポートしているのだ。
チームの抱えるお問い合わせ件数は、クラウド利用数の増加に伴い、毎月のように過去最大を更新しており、1人1日何件もの問題を解決している。
(私は最終的にはお問い合わせ対応をやらせてもらったが、まだ一日1件が限界だと思った。中には10件以上対応する人もいるから信じられない。)
そんな日々で、毎日仕事へのモチベーションを保つのは、正直少し大変なことではないかと思うのだ。
でもチームの中には
教え教えられることで共に成長しよう
というカルチャーが根付いていた。
自分みたいな凡人インターン生の基本的な質問にも、自分の業務の合間ですぐに Teams で返事をしてくれる。
私だけじゃなくみんなに対してそうだ。もはや仏の領域 (真顔)。
そんなことを各メンバーがされたら
「このチームのために頑張ろう!!」とか、
「お世話になったこの人のために頑張ろう!!」とか、
「 この人のように成長したい!」とか
たとえ仕事が大変でも、そんな気持ちに自然となりそうなのだ (実際私はなった)。
そしてそれが、自分の仕事、働くことのやりがいに繋がるのではないか。
人と環境が良いということは、質が高く充実した仕事ができているということ。他人に貢献しようとか、業務以外にも楽しい企画をしようとか、そんな空気ができていること。
また逆に質が高く充実した仕事ができているということは、気持ちに余裕ができ、楽しいことをしようとか人に貢献しようとかそういう気持ちが生まれやすいということ。
自分の例は極端かもしれないが、
もし、就職先を検討する際、自分のやりたいことと仕事内容が食い違うとか、複数の企業で悩んだとき
- そこで働く人達は自分にとって尊敬できる人か?
そんな観点で見直してみることは意外とありかもしれない。
人は、その仕事のやりがいと環境が産んだ産物だから。